04252024
Last update火, 23 4月 2024 4pm
>>

サントリー美術館 沖縄復帰40周年記念 「紅型 BINGATA ― 琉球王朝のいろとかたち ―」展 開催 会期:2012年6月13日(水)~7月22日(日)

国宝 黄色地鳳凰蝙蝠宝尽くし青海立波模様衣裳 18-19世紀 那覇市歴史博物館蔵 [展示期間] 6月13日~6月25日国宝 黄色地鳳凰蝙蝠宝尽くし青海立波模様衣裳 18-19世紀 那覇市歴史博物館蔵 [展示期間] 6月13日~6月25日サントリー美術館(東京・六本木/館長 鳥井信吾)は、2012年6月13日(水)~7月22日(日)まで、読売新聞社と共催で「沖縄復帰40周年記念『紅型 BINGATA ― 琉球王朝のいろとかたち ―』」展を開催します。

琉球王朝の時代に生み出された紅型の衣裳は、型染による表現の多様性において特筆すべき染色品です。型紙を複数つなげて表わす大胆な構成の絵画的な模様、繊細優美な小紋柄、二枚の型紙を重ねて用いる複雑緻密な構成の模様など多彩な意匠が施されています。琉球に産する、あるいは海外との交易によりもたらされた顔料や染料による「いろ」と、型紙を駆使して創り出された「かたち」により、琉球独自の染色世界が展開されています。

米糊を防染剤として顔料や染料を用いた紅型の型染や筒描の技法は、18世紀中頃には確立していたと見られ、紅型の衣裳は、王族や貴族、士族など特定の階層を中心に着用され発展します。しかし、王朝の崩壊後、紅型の制作は後ろ盾を失い衰え、さらに第二次世界大戦の戦禍により、紅型の作品や制作に関わる資料が失われました。現在目にすることができる紅型衣裳の多くは、戦前に紅型に魅せられて調査・研究・蒐集に努めた、鎌倉芳太郎、柳宗悦、などのコレクションで、これらの作品が戦後の紅型の復興に寄与したといえます。

今回の展覧会では、琉球王家に伝えられた紅型衣裳の白眉といえる作品をはじめ、これまで守り伝えられた優品を一堂に集めご覧いただきます。さらに松坂屋コレクションの中から、洋画家岡田三郎助の蒐集した作品を中心に、紅型衣裳を初公開します。また、鎌倉芳太郎蒐集資料からは、今回出品の紅型衣裳に類似する型紙を併せて展示します。

沖縄復帰40周年という年に、紅型の衣裳を通して琉球の豊かな染色文化を顧みるとともに、改めて紅型の「かたち」と「いろ」が生み出す魅力が伝えられることを願っています。

※会期中作品保護のため、展示替を行ないます

《 展示構成 》

特別出品 琉球国王尚家の紅型衣裳

尚家で用いられた紅型の衣裳は、琉球内外の最良の布地や顔料・染料を素材としています。製作には貝摺奉行所の絵師が図案をつくり、士族の資格を与えられた首里や那覇の紺屋(形付屋)が型紙を彫り模様を染め出しました。王家のみに許された特別な模様をはじめ、紅型の多彩な意匠が見られ、琉球王朝の染織工芸の粋を示す貴重な作品です。なお、尚家に伝えられた紅型を含む美術工芸品85点は、王家の歴史に関わる文書・記録類1,166点とともに、「琉球国王尚家関係資料」として2006年に国宝に指定されています。

【主な出品作品】

国宝 黄色地鳳凰蝙蝠宝尽くし青海立波模様衣裳 18-19世紀 那覇市歴史博物館蔵

国宝 白地流水に菖蒲蝶燕模様衣裳 18-19世紀 那覇市歴史博物館蔵

国宝 水色地菱繋ぎに松梅楓鳥模様衣裳 18-19世紀 那覇市歴史博物館蔵

第1章 紅型の「いろ」と「かたち」

―「いろ」

紅型の衣裳に見られる色彩は、沖縄の地理的位置および自然環境により生み出されたものといえます。海外交易により大陸からもたらされた顔料や染料、沖縄の地に産する琉球藍や福木などの染料により琉球独自の色彩世界が創りだされました。

模様を引立たせる布地の染めには、緋色や花色などの赤系統、水色や浅葱、紺地などの青系統、そして王族のみに着用が許された黄色系統、これらの多彩な色を組み合わせて地染を施した染分地(そめわけじ)が見られます。地染をせずに布地そのものの色を示す白地、さらに華やかな色合いの地染と対極をなす藍と墨のみを用いた藍型など、多彩な色彩の競演を楽しむことができます。

さらに、様々な地染の上に表された模様には、隈取により陰影を付けたり、筆を使って色をぼかしたり、模様の間に白地を置いて強い色彩を融和させるなど、色彩効果を高める工夫が凝らされています。

この章では地染の色彩を系統別にご覧いただくとともに、同系統の色彩でありながら微妙に異なる色合いの違いもお楽しみいただきます。

―「かたち」

紅型の模様は柿渋を塗って和紙を重ねた型紙を彫って表されます。その模様には、複数の型紙をつなげて表わす大柄な模様から、小紋、二種の型紙を重ねて繊細な模様を重層的に表わす朧型(おぼろがた)など多彩です。

その模様は意外なことに琉球独特の風景・風俗を反映したものはまれで、他国からもたらされた意匠を季節感や取り合わせにとらわれず自由に構成、アレンジした「かたち」で表わされたものが多く、それが紅型の大きな魅力といえます。また、意匠デザインの「かたち」は、それを染め出す色合いを違えることで、表情、印象が変化します。「いろ」と「かたち」の組合せで多様に展開する紅型型染の奥深さをご堪能ください。

【主な出品作品】

黄色地霞に牡丹菊尾長鳥模様衣裳 19世紀 東京国立博物館蔵

白地花籠に牡丹燕模様衣裳 19世紀 沖縄県立博物館・美術館蔵

花籠に牡丹燕模様白地型紙(鎌倉芳太郎資料) 19世紀 沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館蔵

花色地縞に変り菱繋ぎ梅花模様衣裳 19世紀 日本民藝館蔵

紺地霞に梅枝垂桜鳥流水に蛇籠葵菖蒲模様衣裳 19世紀 女子美術大学美術館蔵

染分地山水楼閣模様衣裳 19世紀 東京国立博物館蔵

第2章 もうひとつの紅型 ― 筒描

紅型には型紙を用いた型染のほかに、円錐状の袋に入れた米糊を絞り出して模様を描き、地染を施す「筒描」という技法があります。米糊を防染剤とすることは同じですが、フリーハンドで描かれた模様は、紅型よりさらに大らかな雰囲気に溢れています。筒描の風呂敷の多くは、一部に型染が併用されています。フリーハンドと型染の模様が違和感なく溶け込む様子から、手彫りの型紙の線の柔らかさを確認することができます。

【主な出品作品】

「永」字入牡丹模様風呂敷 19世紀

鶴亀松竹梅模様風呂敷 19世紀 サントリー美術館蔵

染分地梅桜笹葵模様衣裳 19世紀 松坂屋コレクション蔵第3章 初公開 松坂屋コレクションの紅型

慶長16年(1611)、名古屋創業の松坂屋は、長い歴史に培われた伝統に加え、新たなデザインの研究と開発を目的として、昭和6年(1931)より染織資料の蒐集をはじめました。能装束や小袖などを中心に日本の衣生活を知ることができる貴重な内容を擁し、その多彩な作品の中に、琉球の染織品が多数含まれています。その多くは洋画家岡田三郎助(1869-1939)により蒐集されています。昭和初期、鎌倉芳太郎の研究や、柳宗悦の民藝運動などにより、琉球の紅型や織への関心が高まりを見せます。岡田三郎助も自身の所蔵品を展覧会に出品していますが、昭和9年(1934)に松坂屋に収蔵され、今回が戦後初公開となります。画家の眼を通して集められたコレクションとしても興味深い内容といえ、今までにない新たな模様を含むなど、紅型染色の意匠の広がりを見ることができます。

【主な出品作品】

黄色地七宝雪輪に梅桜楓模様衣裳 19世紀 松坂屋コレクション蔵

浅地菱草花に熨斗模様衣裳 19世紀 松坂屋コレクション蔵

菱草花に熨斗模様白地型紙(鎌倉芳太郎資料) 19世紀 沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館蔵

【本展におけるエデュケーション・プログラム】

記念講演会「日本の染織と紅型の意匠」

講師 : 長崎 巌氏(共立女子大学教授)

日時 : 2012年6月24日(日)14:00~15:30

会場 : サントリー美術館 6階ホール

定員 : 100名

聴講料 : 700円

応募締切 : 2012年6月3日(日)

※この他のエデュケーション・プログラムは、随時ホームページにてご案内します。

花色地鶴亀草花模様衣裳 19世紀 日本民藝館蔵沖縄復帰40周年記念

「紅型 BINGATA ― 琉球王朝のいろとかたち ―」展 開催

▼会期 : 2012年6月13日(水)~7月22日(日)

前期:6月13日(水)~6月25日(月)

中期:6月27日(水)~7月9日(月)

後期:7月11日(水)~7月22日(日)

▼主催 : サントリー美術館、読売新聞社

▼後援 : 沖縄県

▼協賛 : 三井不動産、三井住友海上火災保険、日本ヒューレット・パッカード、サントリーホールディングス

▼会場 : サントリー美術館

港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン(総合受付)ガレリア3階

<最寄り駅> 都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結

東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結

東京メトロ千代田線乃木坂駅出口3より徒歩約3分

▼巡回先:

沖縄県立博物館・美術館:2012年4月24日(火)-5月27日(日)

大阪市立美術館:2012年9月11日(火)-10月21日(日)

松坂屋美術館:2012年11月3日(土・祝)-11月25日(日)

【基本情報】

▼開館時間 : 10時~18時 ※金・土は20時まで開館

※7月15日(日)は20時まで開館

※いずれも入館は閉館の30分前まで

※shop×cafeは無休

※開館情報は今後の状況により変更する場合があります。最新情報は当館ホームページをご覧ください。

▼休館日 : 毎週火曜日

▼入館料 : 一般1,300円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料

▼前売 : 一般1,100円、大学・高校生800円

サントリー美術館、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス、セブンチケットにて取扱

▼割引 :

■きもの割:きものでのご来館で100円割引

■HP割:ホームページ限定割引券提示で100円割引

■携帯割:携帯サイトの割引券画面提示で100円割引

■あとろ割:国立新美術館、森美術館の企画展チケット提示で100円割引

※団体は20名様以上、100円割引

※他の割引との併用はできません

※前売券の販売は、2012年4月14日(土)から6月12日(火)まで

※サントリー美術館受付での販売は、 2012年4月14日(土)から5月27日(日)まで

▼点茶席(薄茶と季節のお菓子)

限定50名 1,000円(別途要入館料) 6階茶室「玄鳥庵」にて

日時:6月21日(木)、7月5日(木)、7月19日(木)

11:30~17:30(受付は17:00まで)

13:00、14:00、15:00には点前がございます。

※定員を超えた時点で終了させていただく場合がございます。何卒ご了承ください。

http://www.suntory.co.jp

comments
  • Latest Post

  • Most Read

  • Twitter

Who's Online

ゲスト 12628人 と メンバー1人 がオンラインです

We use cookies on our website. Some of them are essential for the operation of the site, while others help us to improve this site and the user experience (tracking cookies). You can decide for yourself whether you want to allow cookies or not. Please note that if you reject them, you may not be able to use all the functionalities of the site.