高効率のBOBST製函機3台が、WELLSTAR社のeコマース向けパッケージの生産で、柔軟性をフルに発揮しています

2021年の中頃に、WELLSTAR Packaging社はeコマース仕様のBOBST EXPERTFOLD 165への投資を決定し、同年に導入しました。その結果として、現在このドイツの段ボールパッケージング企業はBOBST製函機を3台保有して、eコマース市場の顧客が求める幅広い形体や用途に、完全な対応をしています。

「このEXPERTFOLD 165 eコマース仕様機の全体的なコンセプトは、当社のニーズを満たしています。このマシンによって、当社の中型外装パッケージの生産効率が最大化しています」と、WELLSTAR-Packaging GmbH社オペレーションマネージャーのSebastian Würth氏が、この投資決定の背景を説明しています。Bräunlingenを拠点とするこの企業は、2013年から eコマース市場向け段ボールパッケージを、特別仕様のBOBST製函機 MASTERFOLD 145を使用して生産してきました。その4年後には、より大型のサイズのパッケージ用にMASTERFOLD 230の運用を開始しました。

これらの製函機の品質と信頼性を体験したことによって、中型サイズのパッケージ向けのマシンに投資を行う際に、同じスイスメーカーを選択することに賛同が集まりました。

1回通しで複雑なパッケージを生産
WELLSTAR社のBOBST製函機3台すべてに、GYROBOX(ジャイロボックス)モジュールが搭載されています。これにより、ブランクを進行方向に向かって左から右、又は右から左方向へ、0~90度まであらゆる角度に回転させることが可能になります。高い柔軟性と250m/分という高速で、本来であればマシンに2回通す必要のある非常に複雑なパッケージを、この装置を使うと1回通しで製造できます。これは製造コストを低減するだけでなく、シリコンストリップや開封テープを必要とするパッケージの製造をも簡単にします。ブランクを回転させる必要のない場合は、マシンの最大スピードでGYROBOXモジュールを通過させることが出来ます。

WELLSTAR社では、3台の製函機すべてのGYROBOXモジュールにビデオカメラを追加搭載して、オペレーターが詳細に製造プロセスを監視できるようにしています。Würth氏は、「当社では、この特別インライン構成機が eコマース向けパッケージ製造の最適ソリューションと思っています」と話しています。

WELLSTAR社のMASTERFOLD 230製函機のGYROBOXは、2つの大きなモジュールで構成されています。このモジュールが、大型パッケージのブランクを、最高の安定性と確実性をもって回転させます。「この機械仕様で非常に良い成果を挙げています。製造中のダウンタイムが最小まで削減されました」とWürth氏は報告しています。「また、同様のGYROBOX構成がEXPERTFOLD 165 サイズでも可能なため、当社は来年にもこのオプションを当社のマシンに追加導入するでしょう」と、このマネージャーは将来を見据えて話しています。

BOBSTは機械テクノロジーを改善し続けることで、WELLSTAR社にパッケージ製造の新たな可能性を提供しています。「これもまた、当社とこのスイスメーカーとのパートナーシップにとって、重要な要素であります」とWürth氏は述べています。

テクノロジーの見事な相互作用
BOBSTの継続的な技術開発と新たな要件へのたゆまぬ注力は、EXPERTFOLD 165の様々な部分に反映されています。例えば、姿勢矯正モジュールが組み込まれたACCUFEED(アキュフィード)によるブランクのスムーズで正確な給紙は、e コマース向けの中型パッケージ製造における高い信頼性に大きく貢献しています。この十分な長さを備えた姿勢矯正モジュールによって、重量のある素材でも、最高の折り込み品質が確保されます。「当社は通常、打ち抜いたブランクを直っ直ぐに挿入します。ACCUFEEDは、ブランクのスムーズな給紙とEXPERTFOLD 165への送り込みを理想的に補助してくれます」とWürth氏が説明しています。

搬送ベルトは段ボールに最適に設計されていると彼は考えています。シリコンストリップや粘着テープを貼付する技術は、特別モジュールPOLYVACUUM(ポリバキューム)装備で、シームレスに組み込まれています。これにより、製造コストが下がるだけでなく、簡易化も実現します。品質の管理面では、個々のモジュールに備えられたセンサーが箱の長さを計測し、規定値からのズレが検出された場合は、マシンを停止させます。管理システムが、どのセンサーによる停止信号かを画面に表示します。これにより、オペレーターが素早く問題の原因を取り除くことができます。この様に、テクノロジー全体がスムーズに連動しているのです。

デリバリー部も、 eコマース向けパッケージ製造用に特別に構成されており、ここの現場に適合しています。独立ドライブと圧着ベルトの自動センタリングを伴ったテクノロジーによって、完成したパッケージはしっかり整列されてベルト搬送されます。

迅速な切り替え
通常、WELLSTAR社ではロット2,000~50,000の注文を、EXPERTFOLD 165を使って2シフトで製造しており、現在は1日に約4回の作業切り替えを行っています。

最新世代の製函機EXPERTFOLD 165は、一層快適な操作性を提供しています。例えば、それぞれのセクションに制御パネルが装備されていて、オペレーターの移動距離を短縮し、彼らができるだけ素早く対応できるようにしています。「これは、当社のオペレーターが遠隔操作に頼りきらなくて済むことを意味します」と、Würth氏はこの利点を説明します。さらに、そこにあるトグルスイッチによって搬送を調整できるので、リモコンのメニューで操作する必要がありません。EXPERTFOLD 165のインフィード機能も、トグルスイッチにより自動ロックとロック解除を行えます。これだけでも準備時間が5分近く短縮されます。

「マシン操作が簡単で、マシンオペレーターからの評判も上々です。彼らはこの新しい製函機での作業を本当に楽しんでいます」と、Würth氏は語り、この新しいテクノロジーが会社の従業員、特に若い人たちにとっての魅力を高めていることを指摘しています。

WELLSTAR社は、搬送コンベア位置を含むあらゆる作業データを、このマシンのMATIC制御システム内に保存しています。再注文の場合は、ボタンを押すだけでそのデータを取り出すことができます。多くの顧客と長期的な取引を維持しているため、この会社における再注文の割合は比較的高くなっています。

単1ソースから全てを生み出す
「EXPERTFOLD 165は、私たちが eコマース向けパッケージングで追求する高品質を、より簡単に達成させてくれます」と、Würth氏はこの新技術の利点を評価しています。同時に、簡単な操作と、不具合発生時のマシンオペレーターによる素早い介入が、不良品の発生を最小限に抑え、WELLSTAR 社で製造する段ボールを節約しています。

単1のソース(設備)で、市場の要件に可能な限り完全に対応することが、この会社の哲学です。「お客様がどのような形式のパッケージを求めようとも、印刷が必要でも不要でも、段ボール分野ならば、私たちにできないことはまずありません」と、Würth氏は述べて、WELLSTAR社が製造プロセスに築いた柔軟性に満足しています。

オーダーメイドのパッケージに加え、この会社では約350種の様々な標準製品も提供しています。これらの製品は倉庫からドイツ国内のどこへでも、最短の時間で出荷されます。これらの製品の一部は、オンラインショップ(verpackungenbestellen.de)からの注文も可能です。さらに、顧客はウェブサイト(PrintYourBox.de)でパッケージをカスタマイズでき、ヨーロッパのどこにでも配送してもらえます。

「BOBSTはテクノロジーの開発を続けるでしょう。そして当社は、市場の新しい要件に素早く積極的に対応していきます。これは間違いありません」と、Würth氏は満足の様子で述べています。

デジタル化、自動化、接続性、持続可能性を柱に、BOBSTの将来へのビジョンは方向が定まっています。例えば、現在WELLSTAR社は myBOBSTオンラインポータルの利便性を活用して、製函機のスペアパーツを素早く調達しています。ベルギーのGenkの新しい欧州スペアパーツ倉庫が、この供給能力をさらに向上させます。また、この会社のMASTERFOLDとEXPERTFOLDは、Helpline Plus(ヘルプラインプラス)テクニカルサポートシステムにリンクされています。これによりBOBSTのテクニカルエキスパートが、生産中に発生した問題にオンラインで素早く対応することができます。これもまた、マシンの高い可用性を支えています。

「BOBSTの技術者は非常に有能でフレンドリーです。私たちはお互いにとてもオープンな関係を築いています」と、Würth氏は、WELLSTAR社がこの点でもマシンのサプライヤーと良好な関係にあることを説明して結んでいます。「このマシンが素晴らしい柔軟性を提供してくれるため、幅広い要件に対応することができます。実に上手く機能しています。」

www.bobst.com