エプソン、PrecisionCoreプリントヘッドのラインアップを拡充

低廃棄・低環境負荷のデジタル印刷への移行を加速するプリントヘッド

セイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)は、商業・産業分野において、廃棄物や環境負荷の少ないデジタル印刷への移行が加速していることを受け、PrecisionCoreプリントヘッドのラインアップを拡充しました。

今回、シリーズ初となるノズルレベルでのインク循環を実現した「D3000-A1R」をはじめとする3つのプリントヘッドを開発しました。新ヘッドは、2021年度下期(2022年3月期)に発売する予定です。これにより、インクジェットヘッドのラインアップは5シリーズとなり、デジタル印刷の可能性をさらに広げることができます。
製品の特徴
D3000-A1R
インクをノズル単位で循環させることで、ノズル付近の水分の蒸発によるトラブルを防止。また、循環させることで安定した印刷が可能となり、デバイスやインクの設計の自由度が高まります。従来のPrecisionCore Sシリーズのプリントヘッドとは異なり、定期的なインクの吐出やヘッドクリーニングが不要です。
1200dpiの解像度と高周波駆動により、従来のアナログプリンターに匹敵する画質と印刷速度を実現しています。
また、マルチヘッドアレイのヘッドの位置を調整する必要がありません。これにより、ヘッドの組み立てや交換にかかる時間を大幅に短縮することができます。

S3200-A3
S3200-A3」は、従来の「S3200-A1」と同じ24kHzの周波数を使用しながら、1.4倍の大きさの液滴を生成します。テキスタイルや段ボールなど、ヘッドとメディアの距離が大きい場合でも、高速で高品質なプリントが可能です。
拡張性の高いS字型デザインと堅牢な構造により、「S3200-A3」は幅広いニーズとアプリケーションに対応します。
I3200(8)-A1HD
I3200(8)-A1HD」は、従来の「I3200(4)-A1」よりもノズル解像度が高く、シリーズの特徴である使い勝手の良さを損なうことなく、高精細な画像をコンパクトに実現することが可能な、最大1200ノズル/インチ(2色使用時)のヘッドです。
このヘッドは、高速のシングルパス印刷だけでなく、マルチパス印刷にも適しています。
これらの新製品は、繊維製品やパッケージ、装飾品などの低消費電力・低環境負荷のデジタル印刷への移行を加速させます。また、現地での生産を可能にする分散印刷や、必要なときに必要な分だけを生産するオンデマンド印刷も可能になります。
近年、環境負荷低減の観点から、水性インクを使用したデジタル印刷の需要が高まっています。エプソンは、今後も独自の技術を開発し、低環境負荷のデジタル印刷の拡大に貢献するとともに、インクジェットのイノベーションをさらに加速させていきます。
www.epson.com