凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)と、フレキシブルディスプレイ技術を持つ英Plastic Logic(本社:英国ケンブリッジ市、CEO:Indro Mukerjee、以下 Plastic Logic)は、フレキシブル大型デジタルサイネージの試作品を、2013年3月5日から3月8日まで、東京ビッグサイトで開催される「リテールテックJAPAN 2013」のトッパンブースで共同展示します。
なお、有機薄膜トランジスタ(※)を用いた対角40インチ以上のフレキシブルな反射型デジタルサイネージは、世界で初めての公開となります。
※有機薄膜トランジスタ:有機半導体を用いたトランジスタで、一般的なシリコンなどを用いた無機トランジスタに比べ、薄く、軽く、曲げられる特性があります。
■本試作品の特長
本試作品は、Plastic Logicの対角10.7インチでモノクロ表示のフレキシブルプラスチック基板ディスプレイ16枚で構成されており、縦4枚×横4枚でタイル化することによって、有効画素ピッチ0.7mmの対角42インチディスプレイを実現しています。これは既存の電子ペーパーサイネージに比べて約6倍高精細であり、近距離からの利用に適しています。また、Plastic Logicの電子ペーパーが持つ画像保持性により、通電していなくても画面に画像が残るため、消費電力が非常に低いといった特長があります。さらに、紙と同様に反射型表示であるため、照明環境に関わらず、明るい太陽光の下でも読みやすく、そのうえ視野角に依存しないため、屋内外を問わず、デジタルサイネージに最適です。
フレキシブル電子ペーパーサイネージは、最薄部で厚さ3mm以下、そして軽量であるため、ポスターのように壁にかけるなど、新しい用途の可能性を拡げます。例えば、公共施設などにおいて、通常は催事などの情報を表示し、非常事態のバッテリー駆動時にも、超低消費電力なため、災害関連情報に切り替えての表示が可能です。
■ 今後の展開
凸版印刷は、2004年以来、大型電子ペーパーサイネージを開発しており、さまざまな用途での実績があります。Plastic Logicは、2007年以来、有機薄膜トランジスタを用いたフレキシブルプラスチックの開発を行っており、世界初、かつ現時点で世界唯一の量産可能な有機エレクトロニクスを製造。カラーとモノクロの両タイプにて、さまざまなサイズのフレキシブルプラスチックディスプレイを生産しています。
凸版印刷とPlastic Logic社は、フレキシブル大型電子ペーパーサイネージの用途開発を行い、モジュラー構造によってさまざまなサイズの製品を提供していく予定です。
■ 凸版印刷株式会社 事業開発センター センター長 遠藤 仁のコメント
フレキシブル大型電子ペーパーサイネージにおいて、Plastic Logicとの協力関係による、新しい可能性の開拓に期待しています。この新しいサイネージソリューションは、震災以降、注目されている防災用途に不可欠な超低消費電力特性など、既存の電子ペーパーサイネージのメリットを保ちつつ、より高い解像度と軽量化を実現できるからです。
■ Plastic Logic Ltd. CEO Indro Mukerjeeのコメント
我々は、凸版印刷とともに、リテールテックJAPANにおいて、Plastic Logicの大型プラスチックディスプレイによって、また新たな世界初を提供できることを非常にうれしく思います。この42インチのデジタルサイネージは太陽光下でも見やすく、我々のフレキシブルなプラスチックディスプレイの多種多様な用途のひとつであり、特に軽量で薄型のエンドユーザアプリケーションの実現に加え、ウェアラブルなモバイルデバイスのような革新的な形状も実現します。