印刷物と同等の高精細表示と色調表現によりデジタルデータでの校正作業を実現
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、パナソニック株式会社の4K*1タブレット端末「タフパッド4K*2」を利用して印刷物の校正作業をオンラインで行えるシステムを開発しました。
今後、テスト運用を通じてシステム検証を行い、クラウド型サービスとして8月に販売を開始します。
*1 4K: フルハイビジョンの4倍の解像度を持つ高精細画面
*2 タフパッド4K :型番:UT-MB5・UT-MA6。端末の詳細はパナソニックのホームページをご参照ください。 http://panasonic.biz/pc/tough/
【開発の背景】
校正とは、印刷会社やデザイン会社が作成した印刷用データや試し刷りなどの出力物に対し、発注者が文章や見出し、画像の色調、ページレイアウトなどを確認して、必要に応じて変更・修正を入れる作業を指します。商品点数が多いカタログなどの場合、複数の発注担当者が繰り返し校正を行い、商品の写真や文字情報を更新しており、印刷用データが最新の商品情報となるため、厳密に管理しておく必要があります。また、週刊誌などの定期刊行物では、発行日に合わせて関係者が校正作業の進捗状況を共有しておくことが重要になります。
DNPは、この校正作業の負荷を軽減するためDTP(Desktop Publishing:卓上編集)ソフトで作成した印刷用データを、関係者がネットワークを介してパソコン上で校正できるシステムを提供しています。しかし、パソコンのディスプレーは印刷物に比べて解像度が低いため、細かい文字や図版は拡大して確認する必要がありました。また、印刷物と同等の色調がディスプレー上で再現できないため、別途、紙に試し刷りして色調を確認する必要がありました。
今回、印刷物と同等の解像度を持つ4Kタブレット端末をDNPのオンライン校正支援システムに利用することで、細かい文字や図版、色調などの校正作業も印刷用データで簡単に行えるようにしました。
【システムの概要】
今回使用するパナソニック製のタブレット端末「タフパッド4K」はA3サイズがほぼ同寸で表示できる高精細なディスプレーのため、細かい文字や図版なども見やすく、容易に校正を行うことができます。また、DNP独自のカラーマネージメントシステムに対応しているため、印刷物と同等の色調再現が可能となり、画面上で印刷物の色調を校正することができます。修正指示は、タッチペンを使って簡単に書き込めます。
DNPのオンライン校正支援システムは、進行管理システムと連動し、各ページのDTPデータの進捗状況をリアルタイムで確認できるシステムで、インターネットに接続する環境があれば利用できます。印刷物の制作責任者は、商品開発者や編集者、デザイナーなどの複数の関係者に校正作業を分担させ、進捗状況や最新の印刷用データなどを管理することができます。管理業務の負荷軽減につながるため、責任者は本来の担当業務に専念することができます。また、校正作業を効率化しリードタイムが短縮できるほか、画面上で修正前と修正後の状態を比較できるため、修正漏れの防止にもつながります。
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